2017年9月20日水曜日

カツセマサヒコを倒す

しゃべくり007を見ていた。

最近のイケメンや美女は、バラエティに出ると、

「実はこんな変なところが!」

とか

「意外とオタク!」

とか

「こう見えて爽やかではない!」

みたいにいじられている。

いじられて、イケメン本人も嬉しそうに笑っている。




たしかに。

かっこいいとか足が長いとか顔が小さいなんてことを前面にプッシュされても、ぼくはすぐに嫉妬してしまうから。

こんな完璧超人にも実はこんな弱点が、というところを笑えるスタンスでいじってくれた方が楽しく見られる。

世間的にも伸びるしバズる。



いじりと自虐を、いじめと他虐にならない程度にまぶした番組じゃないと、ぼくはチャンネルを変えてしまうだろう。



実際、いいものをいいと言い続けるだけで人の耳目を集めることは、極めて難しいと思う。

いいものをいいと言い続け、歩き回って人々の肩を叩き、誰かの横でうまそうにメシを食って幸福なため息をつき、よさみよさみ尊い尊いと念仏のように唱え。

それ「だけ」で、ものの良さを伝えて幸せを広めていける人。

いるにはいる。

なんと力強くやさしいことか。

……ぼくらみんなに、できるものだろうか?




いいものをいいと言い続けるだけのことを続けている人からは、なんというか、NHKのにおいがする。

すこし野暮ったいというか。

下品なことは言わないし。

大音量のCMもかからないけれど。

大声で笑うこともない。

スーツで、七三で、笑わない。



……はあ、参ったな。

ぼくは、「いいものをいいと言い続けている、シンプルな、優しい人」にすら、レッテルを貼ってしまっているようだ。





NHKに巨乳のスポーツキャスターが出たと言ってタイムラインが盛り上がっていた。

テレビ東京がニュース速報を出したと言ってタイムラインが怯えていた。




「いいものをいいと言い続けるだけ、それがシンプルでかっこいい」と思い込んでいたはずのぼくの脳にも、いくつかの付箋が貼られており、いくつかのしおりが挟まっていて、偏光フィルターとブルーライト軽減グラスがかかっている。





とりあえず無印良品を着こなすイケメンライターだけは滅ぼそうと心に決めているぼくの、目に、脳に、こびりついてしまったレッテル。


とりあえずカツセマサヒコだけは殴るけれど、その後のことはもう少し、考えていきたいと思っている。