2017年9月1日金曜日

100%

デスクの上や標本棚の一角に、旅先で買った根付のようなおみやげや、ガシャで取ったミニフィギュアのようなものを置いている。まあ、それはいい。好きでやっているからだ。

ただ、埃がすごい。困っている。

定期的に、ひとつひとつどかしながら頻繁に掃除すれば、いつまでもきれいなデスクであり続けるのだろうが。

そこまで努力しなければいけない、ということを、小品を買い集めていた段階で、思い付かなかった。

おかげで今は、デスクの上や標本棚の一角が、小物まみれだし、埃まみれである。




思えばぼくは、よかれと思って置いてみたインテリアがゴミにまみれてなんだか汚くなってしまいそのうち捨てる、ということをずっと繰り返している。

大学3年生のとき、大学のそばに、はじめて部屋を借りた。はじめてのひとり暮らしである(といっても週末は同じ札幌にある実家に帰っていたのだが)。自分の城だ、コーディネートをしたくてしょうがない。

ムダにものを買ったなあ、と思い出す。

なんかサボテンとか。あと……なんだっけ……そう、パキラ!

パキラという名前の観葉植物を買った。デスクに乗る程度の小さいやつ。ハンズでよく売っていたやつだ。

ほかにも、アメリカの車についているナンバープレートみたいなやつとか、ちょっと気の利いたマグカップとか。4プラの上、狸小路の隅などの雑貨屋を巡って、買い集めた。

あれぜーんぶ埃まみれになって、部屋が汚くなっただけだったなあ。




「部屋を上手に飾る人」を見ていると感心する。ぼくにはそういう才能と、努力する気がない。

自分のデスクを見返してみる。作業スペースはきちんと整頓してあるが、それは「仕事で使う部分」だからだ。「遊びの部分」で、自分をきっちりとコーディネートするのがへたくそだ。

服のセンスがないのもいっしょなのかもなあ。スーツとかばんは選べるが、私服が選べない……。






先日、実家に帰ったら、断捨離の真っ最中だった。本棚をひとつ潰して古い本を捨てたり、カーペットとかソファを入れ替えたり、物置のものをまるごと整理したりしていた。

ぼくが暮らしていた部屋も、こぎれいにまとまっていたのだが、そこに、あまり見た記憶のない、ぼくのふとももくらいまである観葉植物が置いてあった。きちんと手入れされている。ちょっとエキゾチックな感じだけれど、緑が部屋にあるのはよいことだ。

なにげなく、土に刺さっている札を読むと、

「パキラ」

と書かれていた。

母に尋ねる。「これ真くんが大学のときに買って、その後引っ越ししたときにいらないからってうちにくれたやつでしょう(笑)。そのまま育ててたら、こんなにおっきくなったわ」

お前、あのときの、卓上パキラかよ。

「インテリアとか観葉植物をきちんと管理できる血、ぼくにも半分流れているはずなんだけどねえ」と答えながら、なんだか可笑しくて、笑ってしまった。